【魚ログ】 三陸いわて産地魚市場ブログ

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8月水揚総括です

time 2006/09/01

小生、「みなと新聞」に月1回のコラム寄稿を依頼されており、以下のとおり寄稿しました。
チョイと長いですが読んで下さい[:love:]
<8月水揚について>
梅雨明けと同時に盛夏到来で、気温は一気に30℃台の連発となりました。体調管理が大変ですが、身体の方が気を効かして発汗作用と生ビール補充?更に、魚の肴で体調維持です。焼肉も美味いですな~!雑食人間の小生としては、何でもござれ!です。
さて、今月の漁模様ですが大船渡港は定置網にサバ大漁の嵐で、今月分4,000tで6月入網からの累計は6,685tの水揚となりました。特にも、お盆連休後の18日、19日は朝夕でサバ600tの水揚が有りましたし、24日は1つの定置網(首崎大輪漁場)に207t超のサバ入網で新記録と思いきや、翌日は370t超の漁獲でこの物量にはビックリです。積船7隻が入替りの水揚で、小生の市場勤務暦37年でも記憶に無いことです。諸先輩にもお聞きしましたが、一つの定置網へ370tの入網は、やはり、記憶に無いとのことです。近年の定置網構造の近代化や機械化で、高効率な漁獲がもたらした物量と思われます。三陸でのサバ復活は3年目ですが、「こうなりゃ~新記録樹立で年間1万tの大台を超えてみやがれ~!」の心境です。今年のサバ価格は、㎏当り平均30円台で推移しており、三陸のサバは多量の外国向けで、価格が底上げされています。1つの定置網で、朝夕の2回起しで1千万円を記録するのは珍しいことで、この時季としては素晴しい水揚額となっています。大船渡のサバは、8月中旬で脂質20%超と脂も乗ってきました。もちろん、鮮度指標のK値=【10%】以下、トリーメータのTMR値=【10~12】を記録しています。このサバを大船渡式水揚(1tタンク+氷+紫外線殺菌海水)で、高鮮度サバをコンベヤーで流し込み、電動リフトスケール(計量器付きフォークリフト)5台を駆使して流れ作業でスピーディーな処理、混獲物がなければ20t/時間×5箇所水揚=100t/時間です。買受人は7℃以下で鮮度保持されたタンクごとの運搬で、殆んど冷凍加工です。マサバの大サイズは鮮魚出荷やフィレー加工も見受けられます。イカ釣は、絶不調が続いておりますが、それでもお盆過ぎからは18隻で1,000箱を超える日々もありました。しかし、3日と続きません。過去を振り返れば切がありませんが、三陸の漁船漁業はイカ釣で生計が営まれて来た歴史があり、50隻超のイカ釣船が存在していたことを考えると、まさに、イカ釣漁業は、栄枯盛衰の感があります。それでも、経営努力は日本海への出稼ぎも有りで、大船渡港への入港が、未だにない漁船もあり家族団欒が遠のく有様です。そこへ、原油高による燃油高騰と石油製品(魚箱)値上げの追い討ちです。イカは日本国民の人気の食材、イカ釣漁業の伝統を守りたいものです。サンマ大型船は23日解禁で、当港にも28日初入港となりました。今年から無選別状態の水揚となり、価格は魚体の組成割合(大中小)が勝負となり、大型魚の漁場を目指して各船が凌ぎを削る展開となりそうです・・・って、月末なので、記事を書いていますが、朝夕が寒いほどで、もはや、秋の感があります。サンマが来ましたから、やはり秋ですな~!
<9月の予想>
大船渡港は、サンマ水揚で更に活気が増します。定置網もサバ、スルメの入網に加えて、秋サケが日々増加の一途となります。青物のワラサ、イナダも水揚があるでしょう。スルメも大型化して肉質も厚くなり腑が芳醇な秋スルメへと変化します。カツオは「戻り鰹」となり、脂が乗った美味しさに比例した高価格が期待されます。また、底引網も2ヶ月間の休漁明けで操業開始となり、底物の水揚もあり魚種が豊富となります。いよいよ、三陸の魚種が勢揃いです。刺身・焼魚・煮魚どんな調理でも美味しさ倍増で楽しめる季節の到来です。

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